みなさん、「シュールストレミング」という食べ物を聞いたことがあるでしょうか。「世界一臭い食べ物」としてテレビなどで取り上げられたこともあるので、ご存知のかたもおられると思います。


とはいえ、日本で普通に売られている食品ではないですし、入手したとしても、なにせ世界一臭い食べ物ですから、室内で開封することもできません。めったに食べる機会のない食べ物です。そのシュールストレミングを食べてみようというイベントが、昨日、IKEA神戸で開催されました。


珍しい食べ物に目のない僕も当然、参加しました。上述したとおり、室内では食べられないので、会場はお店の外の空きスペースです。参加者は二三十人ほどでしたが、みなさん、こういうイベントに参加する人たちだけあって、興味津津の様子でした。


これがシュールストレミングの缶詰です。(※厳密には、滅菌をしていないため日本における缶詰の定義にはあてはまりません)


あらためてシュールストレミングを説明すると、ニシンを薄い塩水に漬けて発酵させた北欧(主にスウェーデン)の漬け物です。なぜ薄い塩水なのかというと、北欧では製塩に必要な日射が少ないため塩が貴重品で、塩を豊富に使って塩漬けにすることができなかったからです。ニシンは大量に獲れるのに、それを保存するための塩が足りない、そこでやむなく、薄い塩水の中に漬けて保存するという手段を取るようになったそうです。とはいえ、塩漬けにした場合とは異なり、発酵が極度に進行するため凄まじい臭気を発生してしまうわけです。


現在では、シュールストレミングは主に缶詰の形で流通しています。通常の缶詰と異なり、滅菌をせずに缶に詰めるため、密封されたあとも内部で嫌気性細菌による発酵が進行してガスが発生するので缶はふくらみ、最悪の場合、破裂しますが、冷蔵しておけば発酵の進行は抑えられるようです。今回の缶詰も冷蔵保管していたそうですが、イベント1時間前に冷蔵庫から出したそうで、イベント時にはすでに缶が膨らんできていました。


ガスにより缶の内圧が高まっているため、開封時にはガスとともに世界一臭い汁が噴出する可能性があり、ある意味、「危険作業」となります。しかし、今回のイベントの参加者はそんなことを恐れる人たちではありません。スタッフが開封作業の希望者を募ったところ、多数の手が上がり、じゃんけんで争うことに(ありえない光景w)。そして勝利したのが、この年配の方(何が起きても受け入れますという旨の誓約書にサインさせられています・・・)。


万一に備えてレインコートを羽織り、いざ開封作業に取り掛かります。我々見学一同も息をのんで見守ります。


さいわい、今回はあまり汁が噴出することはありませんでした。なんだか、がっかり・・・(←頭がおかしい)


汁は噴出しませんでしたが、臭気はたちまち放出されました。ほとんど下水の臭いです。ただ、風が強かったおかげで臭気が滞留しなかったせいか、想像していたほどではありませんでした。


で、これが缶詰の中身です。見た目は水煮缶のような感じです。臭いが全然違いますが。


そして、いよいよ試食会が始まりました。スウェーデンでの食べ方にならって、パンにサワークリーム、レッドキャベツ、香草と一緒に乗せていただきます。見た目は悪くないですよね?



肝心の味ですが・・・悪くありません。いや、むしろ美味い!?塩味が絶妙ですね。しかも臭いはあまり感じませんでした(ひょっとしたら強力な臭気に触れてすでに嗅覚がまひしていたのかもしれませんが)。これならご飯と一緒に食べてもいけるんじゃないかな、と思ってしまうほどです。


周りの参加者の反応も、おおむね冷静なもので、みなさん普通に召し上がっていました。もっとも「世界一臭いのを食べてやろう」と思って来られている方ばかりなので、もし一般の方たちであれば、もっと違う反応になっていたかもしれません。


今回、こういうイベントでもなければ、シュールストレミングを食べる機会はなかったでしょう。このイベントを開催してくれたIKEA神戸に感謝です。みなさんも機会があればシュールストレミングにチャレンジしてみてはどうでしょうか。ただし、何が起きても僕は一切の責任を負いません。